一歩踏み込む日経新聞まとめブログ

何気なく日経新聞を流し読みしていたサラリーマンが、あまりのアウトプット機会の少なさから、記事の内容に一歩踏み込んで色々書いてみようと始めたブログです。

未上場会社における企業価値ランキング第2位のパネイルってどんな会社?

今朝の日経新聞では、NEXTユニコーンと題して日本の未上場企業の企業家価値ランキングが掲載されておりました

vdata.nikkei.com

 

その中でよく名前を目にするプリファード・ネットワークスの次にパネイルという会社が2位でランクイン(801億円)してましたが、当方不勉強でなんの会社か全くわからず、良い機会なので簡単に調べてみることにしました。

 

corp.panair.jp

【パネイル】

2012年創業。現在従業員は115名。資本金は約31億円。

事業内容は

・次世代型エネルギー流通基幹システム「パネイルクラウド(Panair Cloud)」の運営開発

・小売電気事業者等に対する業務支援

・小売電気事業(登録番号:A0215)

とHP上で説明されておりました。

自社でも小売り電力小売業者として事業を行う一方、Panair Cloudというシステムを開発し、電力小売り事業者の電力流通コストを削減する営業支援を行っている会社みたいです。電力自由化に目を付けて、コスト競争力の強化が必要になってくる電力業界に営業支援クラウドツールでサポートするという発想は、シンプルで理にかなったアイデアに思います。

日経記事では、「電力会社の業務は需給管理や法人向けの料金見積りなど手作業が多い。AIでシステムの運用コストを下げるサービスの人気が高まると判断した。」と出てましたが、レガシー産業における手が入ってこなかった業務フローの自動化は、一度導入実績を作ることが出来れば、そこにはブルーオーシャンが拡がっていますし、費用の削減は決算上PLに大きくヒットするので市場にも受け入れられやすいアドバンテージにもなり、良い所づくめな気がします(最初に受け入れられるまでがめちゃ大変なんでしょうけど。。。)

 

彼らが行う営業支援は、非常にシンプルで今まで業界慣習的に手作業、人間の目、判断で行われてきた作業を全てビックデータとAIにやってもらおうという発想。

従来の電力小売会社では、電力の供給量と消費電力量を人の目でエクセルで管理していたり、個々の消費者への請求書を一枚一枚算出したり、そういった細かい非効率を現場に寄り添いAIとビッグデータを活用して可能な限り自動化をするのが「Panair Cloud」の一つの特徴とのことです。

 

決算書が拾えなかったため、定量面のコメントはできませんが、この企業は日本の電力自由化の歴史を学ばないと真の企業価値は実感できない気がしています。欧米と比べてただでさえ遅かった日本の電力自由化は、2016年4月に実施されたもの、時々CMで大手ガス会社を見かけるぐらいで多様な参入を許していない業界というのが個人的な印象です。

そのような業界に気軽に新規参入できるよう電力供給体制の構築に大きな役割を担うことが出来ているからこその、この801億円という企業価値だと思いますが、これ以上は電力小売業界の現状まで深く勉強していく必要が出てきますね。

とりあえず今後どうブレークスルーしていくのか、注目していきたいと思います。